人工芝をこれから設置したい人も、すでに設置している方も、人工芝はどれくらいで交換が必要なんだろう?耐用年数はどれくらいなんだろう?と疑問に思う方も少なくないでしょう。天然芝と違って人工芝は定期的な交換が必要です。ここでは、人工芝の耐用年数についてや、人工芝を長持ちさせるためのポイントなどをご紹介していきます。
人工芝の耐用年数について

人工芝の耐用年数は、結論人工芝の種類や施工場所、日ごろのメンテナンスによって異なります。大体一般的には7年から8年くらいと言われていますが、減価償却として国税庁が定めているのは10年となっているため、大体7年からもって10年くらいと見て良いでしょう。
先述した通り、人工芝の耐用年数は施工場所や日ごろのメンテナンスなどによっても異なるため、人工芝を長持ちさせたい場合には、施工場所やメンテナンスを意識する必要があります。
耐用年数に影響がある「施工場所」

人工芝の耐用年数を施工場所という観点から確認していきましょう。
室内の設置
室内に人工性場を設置する場合には、耐用年数は大体10年くらいと考えてよいでしょう。
室内の場合には激しい運動も直射日光による劣化があまりないと思いますので、人工芝を劣化させる要因が室外の設置と比べると少ないでしょう。
もちろん、人工芝の種類や日ごろのメンテナンスにもよりますが、室内の場合は人工芝の耐用年数を最大限引き延ばして使うことができるはずです。
ただし、室内の中でも室内サッカー場やテニスコートとして人工芝を使う場合にはこのような耐用年数にはならないはずですので、あくまでも自宅の室内で利用するという部分の目安です。
屋上やテラス・ベランダ
屋上やテラス、ベランダに設置した場合の人工芝の耐用年数は大体8年~9年くらいと考えると良いでしょう。室内と比べると室外に設置するため外の環境によってさまざまな劣化の要因が考えられます。
たとえば、直射日光をたくさん受けて色あせしたり、強風にあおられて人工芝がめくれてしまったりなど、室外に置くことによる劣化の原因が少なからずあるはずです。
ただ、屋上やテラス、ベランダなどでの人工芝の設置は、人が寝転んだり子供と遊んだり景観を楽しむといった使い方がほとんどだと思いますので、日常生活における劣化の要因は少ないと考えてよいでしょう。
ベランダへの人工芝設置についてはこちらを参照ください。
庭
人工芝を庭に設置した場合の耐用年数は大体8年くらいと考えると良いでしょう。
人工芝を室外に設置することで台風や天候などの影響、地震や動物、虫などの影響により外的要因による劣化が進む可能性があります。
ベランダやテラスと比べると、庭の場合には、子供たちが走り回る広さがあったり、サッカーをしたり鬼ごっこをしたりするなど、さまざまな活動を人工芝の上ですることがあるでしょう。そのような活動も、少なからず人工芝を劣化させる要因の一つになりますので、ベランダやテラスなどに設置する場合よりも少し劣化は早いかもしれません。
また、人工芝の設置をプロの業者ではなくDIYで行った場合には、8年も持たず5年以下で劣化が進んでしまうケースがあります。
これは、人工芝の施工時に地盤をしっかり整地できていなかったり、下地がしっかり作れていなかったりするなど、DIYによる施工によって人工芝の劣化を速める要因となるケースがありますので、長持ちさせたい場合にはプロの業者に依頼することがおすすめです。
サッカー場やテニスコート
サッカー場やテニスコートの場合は、4年から6年くらいと考えると良いでしょう。
他の施工場所と比べると以上に耐用年数が低いと感じる方も多いと思いますが、サッカーやテニスは激しい運動となり、ボールで人工芝が擦れたり、人が走ったり止まったりすることで人工芝を痛めてしまう要因になります。
とは言っても、サッカーやテニスを楽しむためにはそのような行動は仕方ないため、人工芝を設置する場合には、4年から6年で劣化するものだと考えて設置し、普段の激しい運動による劣化は仕方がないと思って利用すると良いでしょう。
サッカーやテニス用の耐久性の強い人工芝もありますので、そのような人工芝を利用することと、このようなスポーツのための人工芝施工は、間違いなくプロの業者に施工を依頼することがおすすめです。
減価償却に関する「耐用年数」

国税局が出している人工芝の耐用年数について確認していきましょう。
あくまでも「野球場」「運動場」に設置する場合の人工芝の耐用年数についての回答とはなりますが、人工芝の耐用年数は10年を適用とされています。
以下、国税局のHPによる回答内容です。
“ターフ及びアンダーパット部分については、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第1の「構築物」の「合成樹脂造のもの」の耐用年数10年を適用します。”
この部分から読み取ると、人工芝の耐用年数は大体10年くらいと考えてよいでしょう。
人工芝が劣化する原因は?

ここからは、人工芝が劣化してしまうそもそもの要因について確認していきましょう。
パイルが寝てしまう
人工芝が劣化してしまう要因として、直接関係あるのは「パイルが寝てしまう」という部分です。これは、パイルが寝てしまうことで見た目が悪くなり、人工芝が劣化してしまって見えるという現象になります。
なぜ、パイルが寝てしまうかというと、人工芝の上に重たいものを置き続けていたり、人工芝がそもそも倒れやすい形状だったり、人工芝の密度が低かったりと様々な要因がありますが、激しい運動などによって人工芝が傷み、パイルが寝やすくなってしまっているというのも要因の一つと考えられるでしょう。
つまり、人工芝を使っている期間が長ければ長いほど、人工芝のパイルが寝てしまい、見栄えが悪くなり、劣化しているように見えるということになります。
そのほか、人工芝自体の質が悪かったり密度の低い人工芝を利用したりすることで、そもそもの素材が悪くて人工芝が寝やすいということも考えられます。
パイルが抜けてしまう
パイルが寝るだけではなく、そもそもパイルが抜けてしまうということも劣化の原因になります。パイルが寝ているだけであれば、見た目が悪いというだけで済みますが、パイルが抜けてしまっている場合には、そこだけ芝が剥げてしまっているように見えたり、クッション性がなくなったりするため、その部分で転倒するとケガをしやすくなるといったリスクもありますので、このようなパイルが抜けた人工芝を使い続けることはおすすめできません。
なぜ、パイルが抜けてしまうかというと、激しい運動によってパイルが傷つき、抜けてしまったり、ペットが芝を噛んでしまったりして、パイルが抜けてしまうといったことが原因として考えられます。
また、長年人工芝を利用していると、そもそも人工芝の耐久性が悪くなり、パイルが抜けやすくなるということも原因の一つでしょう。
このような現象を止めるためには、そもそも耐久性の強い人工芝を選ぶという手段があります。
直射日光による色あせ
人工芝はリアルな天然芝のような見た目で利用できるため、家の庭に設置するという方も多いでしょう。一方、天然芝は直射日光を浴びると生き生きとした葉になりますが、人工芝は人工物のため、直射日光には弱く、直射日光を浴び続けていると色あせなどの劣化の原因になります。
とはいっても、太陽の光を遮断することはできないため、人工芝を室外で設置している場合には、直射日光による劣化はつきものだと思っていた方が良いでしょう。
紫外線などに耐久性のある人工芝もありますので、直射日光による劣化をできるだけ避けたいという方は、このような人工芝を利用するのも一つの方法です。
地面のぬかるみやズレ
人工芝を設置してから耐久性が悪くなるということもありますが、人工芝を設置する時点で人工芝の耐久性を悪くしてしまっているというケースもあります。
人工芝を施工する際に重要なのは「地盤の整地」です。地盤の整地がしっかりできていないと、人工芝の下に水をためてしまったりぬかるみを作ってしまったりして、人工芝がめくれてしまう・ズレてしまうという現象が起きやすくなります。
このような状態になると人工芝の耐用年数は著しく低下し、数年で人工芝を張り替えるといったことが必要になることもあります。
DIYによる人工芝設置をすることで、個の整地の部分がうまくできておらず、2,3年で人工芝を張り替えることになったという方も少なくないようです。
整地など自信がない方は、はじめからプロの業者に依頼することがおすすめです。
また、特にぬかるみやすい土地や、もともと田んぼだった土地などは、そもそも地盤の土の性質がぬかるみやすかったり水を吸収しづらい性質だったりするため、このような土地の方は、プロの業者に相談することがおすすめです。
長持ちさせるポイント

ここからは、人工芝の劣化をさせずに長持ちさせるポイントについて確認していきましょう。
長時間モノを置き続けない
人工芝を劣化させないポイントの一つに「長時間モノを置き続けない」ということが挙げられます。人工芝の上に重たいものを置き続けると、人工芝のパイルが寝てしまう原因になります。パイルが寝てしまうと戻せばよいですが、長時間寝続けたパイルを戻すのは大変です。また、パイルが寝てしまうことで傷んでしまい、劣化が進んでしまう要因になります。
定期的な清掃
人工芝は全く掃除をしなくてよいということではありません。
定期的に清掃することで、人工芝を長持ちさせることが出来るでしょう。
耐久性の良い人工芝を選ぶ
耐久性の良い人工芝を選ぶこともポイントの一つでしょう。いまは人工芝の種類がとても多くなっており、見た目も天然芝と変わらないものが多いですが、その中でも耐久性を強めたいという方は、耐久性の強い素材の人工芝や、抗菌作用や耐紫外線作用がある人工芝を利用すると良いでしょう。
地盤の整地をしっかり行う
特に重要なのが地盤の整地です。地盤の整地がしっかりできていないと人工芝の耐久性が悪くなりますので、できればプロに依頼して施工してもらう方がおすすめです。
人工芝のDIYで特に注意すべきなのが地盤の整地や人工芝の隙間をジョイントするなどかなり細かい作業になりますので、プロに任せる方がおすすめです。
人工芝の下地についてはこちらを参照ください。
人工芝が劣化したときのサイン

人工芝が劣化したときのサインについても確認していきましょう。
黒いラバーが見えるようになる
人工芝のパイルが抜けると、下にある黒いラバー部分が見えるようになります。このような状態になっているときは、人工芝を変えるサインと考えてよいでしょう。パイルが抜けたままの人工芝を利用することはリスクもありますので、黒いラバーが見え始めてきたら「人工芝を張り替えないと」と意識すると良いでしょう。
明らかに芝が寝てしまっている
人工芝が明らかに寝てしまっている状態のときは、人工芝の張り替えのサインと思った方が良いでしょう。人工芝の上にモノを置き続けたり長年人工芝を使っていたりするとパイルが寝てしまいます。そのような状態のときにも、人工芝の張り替えのサインだと思った方が良いでしょう。
劣化した人工芝の処理方法は?

劣化してしまった人工芝はどのように処理するのが良いのでしょうか。人工芝を処分したいときは、自宅で人工芝を細かく切断し、ゴミ袋に入れて燃えるごみとして出すと良いでしょう。もし、細かく切断することが難しい場合には、粗大ごみとしての処理が必要になりますが、費用や処理については自治体ごとに異なるため、自治体の粗大ごみ回収を利用するか、一般的なゴミ処理をしてくれる民間業者に依頼すると良いでしょう。
また、自宅ではなく事業として人工芝を利用していた場合には、粗大ごみではなく産業廃棄物としての処理が必要になりますので注意して下さい。
人工芝の費用についてはこちらを参照ください。
まとめ
ここまで、人工芝の耐久性についてご紹介してきました。人工芝の耐久性は大体一般的には7年から10年ほどとなっており、施工する場所や人工芝の種類、日ごろのメンテナンスによって耐用年数は違うということがわかりました。
特に、耐久性を高めたく、長年使用したいという方には、DIYではなくプロの業者に依頼することがおすすめです。
このサイトではおすすめの人工芝施工業者も比較してご紹介していますので、ぜひ参考にして下さい。