これまで自宅に人工芝を設置した経験がない方は、これから人工芝を設置するのにさまざまな不安があることでしょう。人工芝はどれくらい持つものなのか、どのような人工芝の製品が良いのか、施工は自分でやった方が良いのか…など、さまざまな不安や疑問があると思います。
その中でも、人工芝を色々検索していると「静電気」というキーワードを目にすることがあるでしょう。人工芝は静電気が発生しやすいといった情報を目にすることがあると思いますが、それは本当なのでしょうか?
ここでは、人工芝と静電気について、静電気が起きる原因や防止する方法などをご紹介していきます。
人工芝は静電気が起こりやすいのは本当?
人工芝を設置したら、静電気が起こりやすくなるというのは本当でしょうか?
結論から申し上げると、人工芝によって静電気が発生しやすいというのは「本当」です。
残念ながら人工芝を施工することで静電気は起こりやすくなると言えるでしょう。その理由は、人工芝はポリエチレンやポリプロピレンといった人工的な素材によって作られています。そのため、それぞれの素材の摩擦によって静電気が発生することがあります。
湿気の多い時期はそこまで感じなかったとしても、乾燥している時期や静電気が発生しやすい服装などで遊んでいると、パチっと静電気を感じることがあるでしょう。
なぜ静電気が起きるの?
そもそも、静電気が発生するメカニズムとはどのようなものなのでしょうか?静電気発生の原因を確認していきましょう。
静電気は、物体が帯電することによって発生します。帯電とは、電荷と呼ばれる物体がおびえている電気の量が「プラス」と「マイナス」で表現されているのですが、そのプラスかマイナスのどちらか一方が偏っている状態を言います。
この帯電が起きることで、静電気が発生しています。
通常の状態の場合は、プラスの電荷とマイナスの電荷が等しい状態になっていますが、物体と物体がこすり合わせることによって、そのタイミングで一方の物体にプラスやマイナスの電荷が移動し、プラスとマイナスの電荷の量が均等にならず、帯電するという仕組みになります。
つまり、物体と物体がこすり合わせることによって帯電し、帯電することで静電気が発生するというメカニズムになっています。
このことから、人工的な物質である人工芝の芝葉がこすり合わさることによって、帯電し、静電気が発生するという流れになります。もともと、ポリエチレンなどの素材は静電気が発生しやすい物質となるため、人工芝を設置すると静電気が発生しやすいということになります。
静電気が発生すると…
人工芝によって静電気が発生すると、どのようなデメリットがあるのでしょうか、詳しく確認していきましょう。
赤ちゃんが泣く・嫌がる
人工芝を設置する理由の中に、子供や赤ちゃんが遊べる空間をということで設置を検討している方や、設置している方がいるでしょう。人工芝によって静電気が発生すると、子供や赤ちゃんが嫌がるということがデメリットで挙げられます。
子供の場合には「パチパチするからいや」という感じで嫌がるだけかもしれませんが、赤ちゃんの場合には、ハイハイなどをしているときに「パチ」っとなり、痛みや驚きで泣いてしまう赤ちゃんもいるでしょう。
人工芝を設置していると必ず静電気が発生するということではありませんが、静電気が発生することによって赤ちゃんや子供が人工芝の上で遊ぶのを嫌がってしまう可能性があることは否めないでしょう。
体にも影響が…
静電気は決して体にプラスの影響を与えてくれるものではありません。体の中に静電気が溜まると、体内のイオンバランスが崩れる可能性があり、イオンバランスが崩れることによって血流が悪くなると考えられています。体の中の血のめぐりが悪くなることによって、肩こりや冷え性、腰痛などさまざまな症状につながるため、静電気が体の中に溜まりすぎると体に良くないと言われています。
通常、体の中に溜まった静電気は、空気中の水分などによって自然に放電されていますが、空気が乾燥している時期などは、空気中の水分が少ないため、うまく放電できずにモノを触ったときに「パチ」っとなってしまいます。
人工芝だけが静電気を発生するものではありませんので、日ごろから体の中の電気を放電するように意識すると、パチっという静電気の発生を防げるでしょう。
単純に「痛い」
静電気が発生することによるデメリットとして、「単純に痛い」ということが挙げられます。
誰しも、静電気のパチッとした感覚は良いものではないでしょう。静電気は不意に発生するものなので、びっくりしたり、痛かったりするため、冬の時期など、静電気の発生が嫌でニットを避ける方もいるでしょう。
人工芝の上で寝転んでいるときに、パチッという痛みが発生することが単純に嫌という方も少なくないと思いますので、静電気を発生させたくない方は、ニットなどの静電気を発生させやすい衣服は避けた方が良いかもしれません。
人工芝のデメリットついてはこちらを参照ください。
静電気を防止する方法
次に、人工芝で発生しやすい静電気を防止する方法について、いくつか見ていきましょう。
静電気防止の人工芝を利用する
人工芝は必ずしもどの製品でも静電気が発生しやすいということではありません。製品の中にはこのような静電気を防止する機能を持ち合わせているものもありますので、静電気がどうしても嫌だという方は、このような静電気防止の機能を持っている人工芝を利用することも視野に入れると良いでしょう。
静電気防止機能がついている人工芝は、人工芝の素材の中に静電気を抑制する素材を入れており、普通の人工芝よりも静電気の発生を抑えることができるため、赤ちゃんや子供たちが遊ぶ空間としても最適です。静電気の発生をどうしても抑えたいという方は、このような静電気抑制機能搭載の人工芝を選択してみて下さい。
コンクリートの上に施工しない
人工芝を施工する際にコンクリートの上に施工しないというのも、静電気を防ぐ方法の一つです。
コンクリートは電気を通しやすく、静電気が発生しやすい素材となっているため、コンクリートの上にそのまま人工芝を施工すると、静電気が発生しやすくなります。そのため、コンクリートの上に人工芝を施工せずに、地面にそのまま敷くようにすることで、静電気の発生を少し押させることができるでしょう。
しかし、どうしてもコンクリートの上じゃなければ施工ができないということであれば、ゴムマットなどを敷くなど、コンクリートの上に直接人工芝を置かない工夫をすることがおすすめです。
ゴムマットやゴムチップを利用する
人工芝の静電気発生を抑える物質として、ゴムマットやゴムチップがあります。コンクリートの上での対策として、ゴムマットをご紹介しましたが、ゴム製のものは導電性、つまり帯電を防ぎ静電気の発生を抑える機能があります。
そのため、人工芝の下にはゴムマットを敷くことがおすすめですが、ゴムチップを利用した人工芝も、静電気の発生を抑える役割があります。
この場合、人工芝の施工は自分で行うよりも、プロに依頼した方が賢明でしょう。静電気をできるだけ起こしたくないということを説明し、ゴムマットやゴムチップを利用して人工芝の施工をしてもらうことがおすすめです。
プロに依頼したい場合の費用についてはこちらを参照ください。
軽く水をまく
静電気発生を抑えたい場合、人工芝の上に軽く水を撒くということだけでも、解決につながる可能性があります。
静電気が発生する仕組みは、先述したように空気中の水分が低下し、放電できなくなった電気が帯電することによって起きています。
そのため、空気中の水分を少しでも多くすることで、湿度が高まり、静電気の発生を抑えることが出来ます。
水をたくさん撒くのではなく、軽く幕程度でも効果はあると思いますので、ぜひ試してみてください。
静電気防止剤をまく
静電気防止剤とは、その名の通り静電気を防止するためのもので、市販で販売されています。特に、人工芝専用の静電気防止剤が販売されていますので、このような製品を利用して静電気を防止するという方法があります。
静電気防止剤というのは、静電気が発生する表面抵抗値というものを最適な状態にすることで静電気の抑制をするというもので、帯電しやすい表面抵抗値と帯電しやすい表面抵抗値というものを科学的に分析し、静電気除去に最適な表面抵抗値にするというのが静電気防止剤の役割と仕組みです。
静電気がどうしても気になる方は、このような静電気防止剤を利用するということもおすすめです。
静電気除去シートを利用する
静電気除去シートを利用して、静電気を防止するという方法もあります。
静電気除去シートとは、人工芝に静電気防止剤をまくといった人工芝への対策ということではなく、人体に対しての対策となります。
よく、ガソリンスタンドで給油前に静電気防止の部分にタッチしてから給油を行いますが、この仕組みと同じように、人工芝で遊ぶ前に、静電気除去シートをタッチすることで、体に帯電していた電気を放電することができるため、パチッという静電気を発しなくて済むという仕組みです。
静電気防止スプレーを利用する
静電気防止スプレーは、人工芝に向けて噴射するもので、静電気防止剤のように、人工芝に向けて噴射することで、静電気の発生を防いでくれるというものです。人工芝用のものもありますが、一般的な静電気防止スプレーで問題ありません。
静電気防止は人工芝以外でも必要なケースがありますので、1つあると人工芝の静電気防止以外にも利用できます。
代表的な使い方の例としては、人工芝以外だとシュレッダーの紙の飛び散り防止や、車のほこり防止、モニター画面のほこり防止など、さまざまな点で利用できます。
ニット素材の洋服を避ける
静電気が発生しそうな服装を避けて遊ぶという方法があります。
ニットなど静電気が発生しそうな服は避けて、できるだけ静電気が発生しにくい素材の服を着ることで、静電気の発生を抑えることができるでしょう。
特に、冬の時期はニットを着る機会が多いと思いますが、静電気発生を抑えたい方は、ニットは避けた方が良いでしょう。
人工芝の静電気におすすめの製品
次に、人工芝の静電気を抑えるためにおすすめの製品を見ていきましょう。静電気抑制機能付き人工芝や、人工芝用静電気防止剤などがあります。
人工芝用静電気防止剤
人工芝用静電気防止剤は、その名の通り人工芝の静電気発生を抑制してくれる製品です。
家庭用タイプのものでは数千円ほどで購入できる製品となっています。
人工芝の静電気で本気で悩んでいる方は、静電気防止剤を利用して、静電気ができるだけ発生しないようにすることがおすすめです。
国分グリーンファーム
人工芝用KG静電気防止剤
https://item.rakuten.co.jp/kkb-green/gf12-10-001/
静電気抑制機能付き人工芝
製品そのものを見直して、静電気抑制機能がついている人工芝に張り替えるという方法もあります。また、実際にまだ人工芝を設置していない方で、静電気が気になる方は、はじめから静電気抑制機能がついた人工芝を検討されると良いでしょう。
静電気抑制機能以外にも、人工芝の製品にはさまざまな機能性があるため、防炎機能、防カビ機能、抗菌機能、UV加工、消臭機能など、自分に合った人工芝の製品を検討されることがおすすめです。
Resta 高機能人工芝 リアリーターフ®
https://www.diy-shop.jp/artificial-turf/leally-turf.html
MODERN DECO
リアル 人工芝 モダンデコ 高密度 静電気抑制タイプ
https://www.modern-deco.jp/c/artificial-grass/qh027
まとめ
ここまで、人工芝と静電気のことについてご紹介してきました。
人工芝は残念ながら静電気を発生させやすいものということがわかりましたが、人工芝の製品によっては静電気を発生しにくいものがあることや、静電気を防止させる方法は沢山あることもわかりました。
人工芝はふかふかで子供や赤ちゃん、ペットが遊ぶ空間としても利用できますが、見た目がキレイであることや、青々とした自然味豊かな見栄えであることから、設置することで毎日ワクワク楽しい環境にすることが出来るでしょう。
デメリットの一つに静電気発生ということが挙げられますが、常に静電気が発生することでもありませんし、防止策はたくさんありますので、ぜひ人工芝のお庭を楽しんでみてください。
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人工芝の業者見極めについてはこちらを参照ください。