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人工芝は防草シートなしでも大丈夫?メリットとデメリットをプロが解説

人工芝の施工にあたって、よくある疑問が”防草シートの必要性”です。

先に結論を言うと、ほとんどのケースで防草シートは必要です。なくても人工芝の施工はできますが、長期的に見れば損をすることが多いのです。

「シートの値段が高いから導入したくない」という人も、維持コストを考慮すると、防草シートがあった方がお得なことが多いのです。DIYで済ますこともできるので、業者に頼らず個人で済ませてもいいでしょう。

そこでこの記事では、

  • 防草シートがなぜ必要なのか
  • どういう商品を選ぶべきか
  • どうやって敷くのか

を解説します。
防草シートは多くの人が誤解している点があるので、これを機に正しい知識を身につけましょう。

後半には防草シートなしでも雑草対策をする方法について解説しています。こちらも参考にしてみてくださいね。

人工芝って防草シートなしでも大丈夫?

よくある質問として、「防草シートって敷かないといけないの?」という意見があります。

確かに防草シートは費用もかかるし施工が面倒ですよね。ただ、できれば防草シートは敷いた方がいいです。

その理由は人工芝だけ敷いても雑草が生える可能性があり、それにより除草作業や人工芝のズレなど、様々な弊害が生じてしまいます。防草シートを敷くだけで対策が可能なので、費用対効果は高いので推奨しています。

とはいえ、「絶対に防草シートが必要だ」というわけではありません。また、高価で品質の高い防草シートを用意する必要もありません。この辺はお庭の状況や予算によって柔軟に対応していくべきでしょう。

防草シートはあくまでも雑草対策であり、遮光シートや除草剤、こまめな除草作業等の手入れを行うのであればなくても大丈夫です。また、防草シートを敷くことで水はけが悪くなるケースもあるので、勾配を調整しなければ大雨で水溜りができることも。

対策としては、砂利を撒いて高さを作っておくか、勾配をつけて排水できるような調整をしないと人工芝がズレてしまうので注意が必要です。この辺は専門業者に相談すると対応してくれます。

人工芝には防草シートを敷くべき理由

なぜ防草シートを敷く必要があるのかというと、人工芝の下に雑草が生えると様々な弊害が引き起こされるからなんです。具体的には下記のような弊害が起きてしまいます。

  • 雑草が生えると見栄えが悪くなる
  • 人工芝が凸凹してつなぎ目が目立ってしまう
  • 害虫が発生する

このように、防草シートを敷かないことで大変なことになるんです。もちろん設置環境や芝生にもよりますが、防草シートを敷くのは必須ともいえる施工の工程なのです。

ただし、雑草が生えたとしても十分な日光ではないので、簡単に引っこぬけるような小さな雑草です。こまめに除草作業をするのであれば、無理に導入しなくても構いません。

防草シートを敷くメリットとデメリット

「防草シートを敷く必要がある」とは言ったものの、念の為メリットとデメリットもご紹介します。特にDIYで施工する場合は、メリットデメリットをしっかり認識しておかなければなりません。

メリット・雑草が生えるのを防ぐ 
デメリット・施工費用がかかる
・施工の手間がかかる

デメリットの施工費用ですが、ホームセンターで買うと1×10mサイズで2000円から1万円くらいです。このように、安い商品を選べばそれだけ費用を抑えられますが、耐用年数や使用素材が違うので注意しましょう。商品選びに関しては後述します。

補足として、防草シートを敷くと害虫が発生すると思っている人が多いです。確かに虫は防草シートの裏を格好の住処とするかもしれませんが、日当たりが良ければその心配もありません。

防草シートは湿り気がある空間になれば、虫が住みついてしまうのです。防草シートの有無よりも、水はけや日当たりに気を配ることが大切なのです。

DIYで防草シートを敷く方法

ここからは業者に頼らずDIYで防草シートを敷く方法をご紹介します。施工面積が広いと少し大変ですが、決して不可能ではありません。正しい手順と方法で施工すれば、費用を抑えて雑草対策が可能になります。

まず最初に防草シートを用意しましょう。どんな商品を買えばいいのか分からない人のために、商品選びのポイントを解説します。

防草シートの選び方

防草シートには、大きく3種類に分けることができます。

  • プラスチック
  • 織布
  • 不織布

以下、それぞれ一つずつ解説していきます。どの防草シートにすればいいか選ぶ際に参考にしてみてください。

プラスチック

ザバーンという商品が代表的なプラスチック製の防草シートです。つなぎ目が少し凸凹してしまうものの、圧倒的な丈夫さと耐用年数の長さで高い人気を誇ります。

ザバーンに限らず、プラスチックタイプの商品は防草シートの中でも最も高価です。その代わり丈夫で耐用年数は15年以上と言われています。

ザバーンは、スギナ・チガヤ・ヨシといった貫通力の高い雑草でも突き破れない強度を誇り、透水性の高さから水はけ効果も優れています。

一方で織布(クロスシート)は安価で使いやすく、ホームセンターで手に入るので最も手軽な防草シートになります。カットがしづらいので小回りが利かず、耐久性も少し低いです。

価格は1㎡当たり400円〜が相場となっています。

織布タイプ

織布タイプの防草シートは最も安価ですが、チガヤ・スギナなどの一部の雑草は突き破ってしまうため、完全な雑草対策にはなりません。織布の性質上、繊維の網目が広く穴が広がって草が生えてしまいます。

織布の防草シートはあまり種類も多くなく、ホームセンターで安く売っていることが多いですが、買い替えコストを考慮するとあまりおすすめできません。1年から3年程度で破損・劣化してしまいますので、結果的に不織布タイプの方が安くなることが多いからです。

値段は非常に安価で、価格は1㎡当たり100円前後となっています。

不織布タイプ

最後の不織布は、人工芝によく使われている素材です。凸凹した地面にもフィットするので隙間を埋めることができ、雑草防止効果も十分高いです。

耐久性にも優れて長持ちするので、人工芝と相性がいいタイプです。

不織布タイプは織布より少し値段が高いですが、シートは丈夫で生命力の強い雑草でも抑制してくれます。ほとんどの人工芝はこの不織布タイプの防草シートを使用しており、価格と品質のバランスが取れているため多くのシーンで活躍します。

値段もプラスチック製ほど高くはありません。価格は1㎡当たり150円前後となっています。

人工芝の施工には不織布の防草シートがおすすめ

不織布の防草シートには下記のメリットがあります。

  • 雑草対策には十分の強度を誇る
  • 耐用年数は10年程度と長持ち
  • 庭の形状に合わせてカットしやすい

以下、それぞれ解説していきます。

雑草対策には十分の強度を誇る

繊維を編み込んで作られた織布に対し、不織布は繊維を科学的に熱で接着して作られているため、雑草が突き破るのは容易ではありません。

それだけでなく、繊維の隙間がないため日光を遮断することで、雑草に栄養が行き届かずに強い雑草が生えにくくなります。仮に隙間から生えたとしても、簡単に引き抜けるような小さい雑草ばかりなので、除草作業も楽になります。

耐用年数は10年程度と長持ち

織布タイプは防草シートの破損や隙間から雑草が生えるなどのトラブルが多く、経年劣化も激しいため1年から3年程度で交換が必要になります。防草シートの張り替えはコスト面でも痛手ですが、一度人工芝を剥がして交換する必要があり、非常に手間がかかる作業になります。

一方で不織布であれば10年は交換しなくても大丈夫なので、一度敷いてしまえばほとんど手間がかかりません。また、頻繁に交換しなくてもいいので長期的には最も低コストで済む選択になるはずです。

庭の形状に合わせてカットしやすい

防草シートは施工する庭の形状に合わせて切り分ける必要があります。不織布はカットしやすい上に、地面が凸凹していてもそれにくっつくように敷けるので、シートが浮き上がる心配はありません。

置き物や通路など、不要な部分はカットして無駄なく配置できるのも不織布のメリットですね。

防草シートの下地処理と施工手順

防草シートを選べたら、下地処理と施工に入ります。まずは防草シート敷けるように地面を整地していきましょう。

雑草を根っこから引き抜いた後に、転圧と呼ばれる地面を固める作業を行います。転圧は地面がボコボコになるのを防ぐために必要で、専用の機械で地面をならします。どうしてもない場合はタンパーを用意して、手動で転圧を行いましょう。

次に防草シートを敷きます。この時に防草シートのつなぎ目に隙間が生まれないように注意しましょう。少しでも隙間があると雑草が生えてきてしまうからです。

そのため、養生テープでつなぎ目を固定し、隙間がないようにガッチリと固定してください。最後に釘を打って固定すれば施工完了です。

最後の工程で、防草シートがズレないように釘や固定ピンで固定する必要がありますが、ワッシャーを使う必要はありません。防草シートに人工芝を上からかぶせて固定するため、逆にワッシャーが浮いてボコボコしてしまいます。

人工芝と防草シートの固定にU字ピンが必要

1㎡当たり2〜3本のU字ピンが必要です。風が吹いたり雨で土壌が柔らかくなったりすると人工芝や防草シートがズレてしまいますので、必ずピンで固定しておきましょう。

固定ピンはトンカチ等で打ち付ければ簡単に固定できます。打ち込んだ部分もほとんど目立たないので景観を損なう心配もありません。

防草シートの交換・張替え方法

防草シートが劣化して寿命が来てしまった場合、新しいシートに貼り替える必要があります。貼り替える手順は下記の通りです。

  • 雑草が生えている場合は除草・草刈り
  • ピンをネイルハンマー等で剥がす
  • 防草シートを巻き取りながら剥がす
  • 新しい防草シートを敷く
  • U字ピンで固定する

防草シートはサイズが大きいのでコロコロと転がしながら、巻き取るようにして剥がしていきましょう。U字ピンは錆びてて引き抜きにくい場合があるので、ネイルハンマーで難しいようであればバールなどの長さのある道具を使うのも便利です。

古い防草シートは処分に注意が必要で、産業廃棄物に該当します。自治体によって処分の仕方が異なるので、処分方法はしっかりと調べておく必要があります。

「古い防草シートを剥がすのが面倒だ」「捨てるのも大変そう」という人は、古い防草シートの上から新しいシートを被せる方法でも構いません。実は防草シートは必ずしも新しいのに貼り替える必要はないんですね。

水はけが悪くなる可能性があるので万人におすすめの方法ではないですが、新しいのを被せる方法だと、ピンの位置やサイズカットも古いのに合わせるだけでいいので施工が楽になりますし、処分の手間が省けるというメリットがあります。

防草シートなしで雑草対策をする場合

どうしても防草シートを敷くことができない場合、他の手段で代用することになりますが、考えられる方法として下記が挙げられます。

  • 除草剤を使用する
  • 砂利を撒く

これらの方法で対策ができるかどうか、それぞれ詳しく解説していきます。

除草剤だけでは雑草対策として不十分?

そもそも除草剤には2種類あって、液剤と粒剤に分かれています。液剤は今生えている草を枯らすための薬であるのに対し、粒剤は今後草を生やさないための薬です。

つまり、人工芝を綺麗に保つためには、今後草を生やさないために粒剤を使用する必要があります。

粒剤はいくつか注意点があり、草をあらかじめ処理しておく必要があります。また、近くの土に粒剤の薬が染み込む恐れがあるので、近くに農地がある場合などは注意が必要です。必ず一定間隔の距離を確保しておきましょう。

また、粒剤は効果が効き始めるのに1週間程度かかります。さらに効果が持続するのは半年程度なので、半年後にはまた薬を散布しなければいけません。人工芝を敷いてしまうと再度散布するのが大変なので、人工芝における雑草対策としてはあまり効果的ではないでしょう。

雑草対策で砂利を撒くのも効果的

防草シートや除草剤だけでなく、砂利を撒くのも雑草対策として効果的です。人工芝とも非常に相性が良く、景観を良くするために綺麗な砂利を撒いて庭を整備する人も少なくありません。

ただし、砂利だけでは雑草対策には不十分です。理由は砂利の隙間から日光が差し込むことで、その部分から雑草が生えてしまうからです。砂利がある分草を引っこ抜くのが大変になり、除草作業も面倒になるのでおすすめはしません。

そこで必要なのはやはり防草シートです。防草シートを敷いてから砂利を撒くことで、かなり効果の高い雑草対策が可能です。防草シートがあれば砂利の上に雑草の種が発芽してしまっても、根っこが土に届かずに済みます。

庭の通路や車が通る部分は砂利を撒くなど、庭をより綺麗に仕上げることができるので、是非とも活用してみてください。

砂利の厚みは3〜5cm程度で、車が通る部分は10cm程度がおすすめです。注意して欲しいのが、砂利の粒の大きさによって厚みの調整が必要で、土が透けて見えないように小さめの粒をたくさん撒くイメージです。

費用は10リットル当たり400〜500円くらいで、庭の面積によってどれだけ必要か変わります。1㎡当たり10リットル(厚み1cmの場合)くらいなので、施工面積に応じて何袋くらい必要か算出しましょう。ただ、かなり重いので運搬が非常に大変です。ホームセンターによっては軽トラックの貸し出しを行ってくれるところもありますし、運送サービスを受けてくれるお店もございます。

防草シートありの方が簡単かつ雑草対策の効果が高い

以上が人工芝に防草シートが必要な理由でした。防草シートなしでも人工芝の景観を楽しむことはできますが、長期的な視点で考えるとありの方が手入れの手間が省けて楽になります。除草作業や人工芝のズレなど、様々なリスクを考慮すると対策は欠かせません。

また、業者に頼らずにDIYで施工することも十分可能ですが、やはり長期的に見ると業者に依頼した方が楽な上に長持ちします。

ホームセンターで売っている防草シートは、品質がピンキリな上に、正しく敷かなければ効果を発揮しないので、せっかく大変な思いをしても雑草が生えてしまう、なんてことになりかねません。

一方で業者であれば、10年は持つようなタフな施工をしてくれるので、初期費用さえ払えばあとは全てお任せすることもできます。どうしようか迷う人は、無料で見積もりをしてみてはいかがでしょうか。

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