自宅の庭などに人工芝を設置したいと思っている方は、どのような人工芝を設置するべきか、種類が多くて悩むこともあるでしょう。人工芝は芝の長さや形状、素材など、幅広い種類があり、目的によって選定するべき人工芝が異なります。
ここでは、人工芝を選ぶ際に、目的別にどのような人工芝を選べば良いかをご紹介していきます。
人工芝は種類によって何が違う?

まずは、人工芝は種類によって何が違うのかを見ていきましょう。
パイルの長さ(芝丈)
人工芝のパイルの長さには種類があり、大きく分けて「ロングパイル」と「ショートパイル」があります。この二つの違いは、その名前の通り長さによるもので、ロングパイルは芝丈が長い人工芝、ショートパイルは芝丈が短い人工芝です。
一般的に家庭で利用される人工芝はショートパイルと呼ばれる芝丈の短い人工芝となり、ロングパイルはサッカー場などスポーツで利用される人工芝になります。
ショートパイルの中でも長さに違いがあり、それぞれの特徴については後述します。
パイルの形状(葉の種類)
パイルの形状によっても種類が異なります。
パイルの形状とは、葉の種類のことで、カールタイプやフラットタイプ、U字型のタイプなど、さまざまなパイルの形状があります。このパイルの形状によって芝の印象が変わったり、クッション性が変わったりしますので、目的に合わせてパイルの形状も意識して確認すると良いでしょう。パイルの形状の細かな内容についても、後述いたします。
パイルの素材
人工芝のパイルの種類として、「素材」という部分でも違いがあります。
人工芝の素材には、ポリプロピレンやポリエチレン、ナイロンといった種類があり、一般的なホームセンターでもさまざまな種類の人工芝を置いているところがあります。
ナイロン製の人工芝が比較的安価な人工芝となりますが、ナイロン製の人工芝はカビが発生しやすいため、安価でもおすすめできません。
人工芝のパイルの素材についても、詳しく後述しますので、ご確認ください。
人工芝の種類(パイルの長さ)

次に、パイルの長さについても確認していきましょう。
10mm以下のパイル
一般的に家庭で利用されている人工芝は、ショートパイルと呼ばれる種類の人工芝となっており、ショートパイルと呼ばれる人工芝は35mm以下のものがほとんどです。
その中でも、10mm以下のパイルは、用途としては、養生に利用されたり、各種イベントで利用されたり、工事現場で利用されたりするようなタイプとなるため、一般的な家庭で利用されているものというよりも、それ以外の用途で利用されていることが多いでしょう。
クッション性が少ないため、ふかふかの人工芝という印象はなさそうです。
10~20mmのパイル
10~20mmの長さの人工芝は、芝丈の短いものであればゴルフのパターの練習に利用されていたり、キッズスペースや自宅のベランダ用、室内用などに利用されることが多かったりする人工芝となります。
また、一般的な家庭で利用される人工芝は20mm前後のものが多いため、このタイプの人工芝を選択すると良いでしょう。
25~35mmのパイル
25~35mmの芝丈の人工芝は、一般的な家庭でよく利用される人工芝で、20mmではクッション性が物足りないと感じていたり、35mm以上だと長すぎると感じていたりする方にはおすすめの人工芝です。
ふわふわした感触を楽しみたい方には、これくらいの長さの人工芝が適しているかもしれません。
35mm以上のパイル
35mm以上の人工芝は、一般的な家庭でも利用されることが多いですが、特にスポーツ競技で利用されることが多い人工芝です。
例えば、サッカーや野球など、人工芝で行うスポーツの場合には、このくらいの長さとなります。自宅で利用できないことはありませんが、40mm以上になると、芝が自重の重さで倒れてしまうことがあるため、あまり自宅で利用する方はいないかもしれません。
競技用に利用したいという方は、これくらいの長さの人工芝を利用することがおすすめです。
人工芝の種類(パイルの形状)

次に、パイルの形状という部分に着目して人工芝の種類を見てきましょう。
カールタイプ
カールタイプの人工芝は、ショートタイプの人工芝の中でも弾力性があり、天然芝のようなリアルさのある人工芝です。芝の部分をカール上にカットしているため、クッション性が強く短い人工芝でもふわふわした人工芝の感触を楽しめます。
カールタイプの人工芝でよく利用されているのはゴルフのパター練習のための人工芝です。
フラットタイプ
フラットタイプの人工芝は一般的な人工芝で利用されているタイプで、コストを抑えた人工芝となります。平形とも呼ばれるタイプで、特徴としては、安価な人工芝のタイプとなるため、芝の長さが長めのタイプだと、一度人工芝が寝てしまったりつぶれてしまったりすると元に戻りづらいという点があります。短い芝丈の人工芝であれば、特に気にならないかもしれませんが、つぶれやすい人工芝という特徴を持ちます。
また、メリットとしては、人工芝の中でも一つ一つの葉の面積が広いため、太陽光の光を受けやすく、その反射から明るい人工芝の景観を保つことができます。
人工芝の費用についてはこちらを参照ください。
U・C・V・W字タイプ
U字型やC字型、V字型、W字型などその形状が英字のように見える切り口のタイプもあります。U字型やC字型については、曲線形状という形になり、一つ一つの葉が曲線を描いているため熱を放出しやすく、高温になるのを防ぐ役割を持っています。また、それぞれのタイプはすべて弾力性が高く、ふわふわとした人工芝の感触を実現することができる人工芝です。
V字型やW字型は、特に弾力も強く、形状記憶の性能も優れているため、ちょっとした重みで芝がつぶれてしまうことはなく、形をきれいに保つことができるのが特徴と言えるでしょう。
ひし形タイプ
ひし形タイプの人工芝は、ダイヤモンド型とも呼ばれており、比較的他の形状のタイプよりも厚めの葉となっており、丈夫なのが特徴です。その名の通りひし形になっているため、一つ一つの葉にボリュームがあるため、クッション性に優れているのが特徴である一方、しなやかな弾力となるため、堅すぎずにやわらかい印象を受ける人工芝です。
人工芝の種類(パイルの素材)

次に、人工芝のパイルの素材の種類についても確認していきましょう。
ポリエチレン
ポリエチレンは、人工芝の素材の中でも良く利用されている素材の部類に入り、コストはほかの人工芝と比べると普通か若干高めに設定されていることが多い人工芝です。その理由としては、人工芝の素材の中でも耐久性に優れており、長持ちさせたいという方にはおすすめの人工芝です。
また、紫外線などにも強く、色あせや光の反射を抑える素材となっており、安価な人工芝のようなキラキラと人工物とわかるような素材ではないため、天然芝のようなリアルな人工芝を実現することができます。
人工芝の中で、ポリエチレンは全体的なバランスが良く、一般的な人工芝として利用されていることが多い素材となります。水もはじくためカビの対策や肌触りが良いのも特徴と言えるでしょう。
ポリプロピレン
ポリプロピレンの人工芝もポリエチレンと同様に一般的な人工芝でよく利用されている素材ですが、人工芝の素材の中では一番高級な素材と言えるでしょう。
ポリプロピレンは軽量で上部という特徴があり、加工性も高いため、さまざまな種類の人工芝に適用することができる素材です。人工芝以外にも自動車の部品で利用されていたり、家電で利用されていたりと、身近なところで利用されている素材ですが、耐久性の強さをご紹介すると、化学製品の容器などにも利用されるほどなので、その強さは一般的な人工芝の中では最強レベルと言えるでしょう。
また、水にも強いため、水遊びをする家庭やガーデニングを楽しみたいという家庭にも向いている人工芝の素材と言えるでしょう。
ナイロン
ナイロン製の人工芝は、昔から人工芝の素材として多く使われてきたもので、歴史があります。しかし、「人工芝は安っぽい」というイメージを持っている方は、個のナイロン製の人工芝をイメージされていると思われ、そのような安っぽさが出てしまうというのが特徴です。
耐久性がほかの素材と比べると低めだったり、色あせしやすかったりということがあるため、あまりおすすめできませんが、室内で利用するということであれば、ナイロン製でも良いでしょう。
カビが生えやすいタイプの人工芝となりますので、その点も注意が必要です。
目的別に選ぶ人工芝の種類

次に、目的別に選ぶべき人工芝の種類を見ていきましょう。
スポーツでの使用
人工芝を選ぶ際に、目的がスポーツなどの競技用の場合には、競技用の人工芝を選定することがおすすめです。競技用の人工芝の特徴としては、芝丈が長いものや耐久性の強い素材のものを利用することがおすすめです。
ゴルフのパター練習の場合には、芝丈は短めでカールタイプの人工芝が良いでしょう。
イベントや工事現場で利用
イベントや工事現場での利用を考えている方は、芝丈が短いタイプの人工芝がおすすめです。工事現場は見栄えなどを重視するものはあまり必要ないと思いますので、安価でクッション性の高い人工芝を利用することが良いでしょう。イベント時にもずっとその場に置いておくものではないと思いますので、移動しやすいタイプで、軽い芝丈が短いタイプの人工芝がおすすめです。
自宅の庭で使用
自宅の庭で使用したいという方には、長期的に利用することを考えると、耐久性が高く、色あせしにくい人工芝が良いため、ポリプロピレンなどの素材の人工芝がおすすめです。芝丈は20mm~30mm程度が良いでしょう。芝のカットタイプについては、好みにもよりますので、耐久性の強いものを選びたいのか、クッション性が高いものを選びたいのか、見栄えが良いものを選びたいのか、その目的によって選定すると良いでしょう。
一般家庭の庭に人工芝を設置する場合にも、長期的な利用を検討されているのであれば、DIYではなく、プロの業者に依頼することがおすすめです。その場合、人工芝も自分で選定するのではなく、人工芝の設置業者に人工芝自体も目的に合わせて選んでもらうことが良いでしょう。
人工芝を長持ちさせる方法についてはこちらを参照ください。
人工芝の施工面積で検討すべき種類

最後に、人工芝を実際に設置する際に重要な、「施工面積」において検討するべき人工芝の種類についてご紹介していきます。
ロールタイプの人工芝
人工芝の設置場所が広い場合、ロールタイプの人工芝がおすすめです。
人工芝は、一つの人工芝だけで庭全体を人工芝で埋め尽くすことは難しく、何枚かをジョイントしながら人工芝を張り巡らせていきます。その場合、人工芝と人工芝の間の隙間が広くなってしまうと、人工芝の間から雑草が生えてきてしまい、景観を損ねてしまったり、人工芝が雑草によってめくれてしまったりするといったことがあります。
このようなことにならないよう、人工芝はできる限り少ない枚数で施工するか、プロの業者に任せることがおすすめで、自分でDIYする場合には、ロールタイプの人工芝を利用することで、ジョイントプ分を少なくすることが出来るため、雑草が生えるような隙間を作りにくくすることができます。
人工芝の業者見極めについてはこちらを参照ください。
ジョイントタイプの人工芝
ジョイントタイプの人工芝は、タイル式の人工芝とも呼ばれており、正方形の人工芝をいくつかジョイントしながら施工するタイプのものです。
このタイプがおすすめの方は、人工芝を設置する場所が狭かったり、形がいびつだったりした場合に、ジョイントタイプの人工芝だと芝を張り巡らせる場所に応じて柔軟に対応できるため、ジョイントタイプを利用することがおすすめです。
まとめ
ここまで、人工芝の種類について、さまざまな視点でご紹介してきました。
人工芝を選択する際には、さまざまな種類の中から自分たちの目的に合った人工芝を選択するべきですが、素材や形状、芝の長さなど、さまざまな種類がありますので、自分で探すのが難しいという方は、プロの業者に依頼をして、人工芝の種類選びから相談してみることがおすすめです。
人工芝の施工はDIYすることもできますが、一般的な人工芝の耐久年数が10年くらいであるのに対して、DIYすると2,3年で寿命が来てしまうこともあります。
人工芝を長持ちさせたいという方や、人工芝選びに困っているという方は、人工芝の施工業者に一度ご相談されることをおすすめします。