人工芝を敷く際、虫が発生しないか心配になる方も多いでしょう。
せっかくお金をかけて人工芝を敷いても、虫が発生すれば快適に使えなくなってしまいます。
特に、刺されて湿疹ができるような害虫が出ると不安ですよね。
しかし実は、人工芝は天然芝に比べて虫が発生しにくいのです。
人工芝を選ぶことで、虫の心配を減らし、安心して利用できる環境を作ることができます。
この記事では、人工芝が虫に強い理由と、虫が発生しやすくなる原因、そしてその対策について詳しく解説します。
そもそも人工芝は虫が湧きにくい
まずは、人工芝には虫が湧きにくい理由を紹介します。
人工芝には虫の餌がない
人工芝には虫のエサが存在しません。
虫は、植物や落ち葉、土に含まれる栄養分をエサにして生きています。そのため、エサが豊富な環境には多くの虫が集まりやすいです。
たとえば、コガネムシやガの幼虫は芝をエサとしています。天然芝では、これらの幼虫が芝の葉や茎、根を食べてしまい、結果として虫の繁殖や芝の損傷といった害虫トラブルが発生しがちです。
しかし、人工芝はポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンなどの素材で作られており、これらの素材は人工的な成分で構成されているため、虫にとってはエサになりません。
このように、人工芝は虫にとってエサが乏しい住みにくい環境であるため、虫が発生しにくいのです。
水はけが良くなる
一口に「人工芝」と言ってもさまざまなタイプの商品がありますが、最近では「水抜き穴」のある人工芝が増えています。
「水抜き穴」とは、人工芝の基布(布地)部分に空けられた穴のことで、雨水や結露による水を逃がす機能があります。
この「水抜き穴」があることで、人工芝は天然芝よりも水はけが良く水を好む虫が寄ってきづらいです。
例えば、ナメクジは水を好む代表的な虫です。
ナメクジは、雨水をからだに吸収することで生きているため透水性の悪い芝に好んで寄ってきます。ナメクジのような水を好む虫が寄ってこない環境を作るには、透水性の良い人工芝を選ぶことが大切です。
日光が土や地面にあたらない
一般的に人工芝の下には防草シートを敷きますが、これには日光を地面にあたりづらくさせる役割があります。
防草シートの下になる地面には、日光がほとんどあたらないため雑草が成育しづらくなったり種子の発芽が抑制されたりします。
雑草が生えてくると、当然それをエサにする虫の発生原因になります
つまり、日光が地面にあたりにくい人工芝は雑草が生えずらく虫も湧きにくいのです。
通気が良くなる
通気性が良くなることも、虫を寄せつけない理由の一つです。
虫は湿度の高いジメジメとした環境を好みます。
人工芝の水はけが悪いと、そうした湿った環境を作り出してしまうことがあります。
しかし先述のとおり、人工芝はもともと水はけを良くするように設計されているため、正しく施工・整地すれば、ジメジメした環境が生じにくいのです。
そのため、人工芝を設置することで、通気性が良くなり、虫が住みにくい環境を作ることができます。
ただし、施工が不十分で湿気がこもりやすい状態になると、虫が好む環境を作ってしまう可能性があるので注意が必要です。
虫が生活しづらい環境になる
総合的にみると、人工芝を設置することで、虫が好き好んで住むような環境ではなくなるということが言えます。水はけが良く、ジメジメした環境にならずに通気性が良くなり、虫の食べるエサである雑草などの草が生えない環境になれば、虫はその場所で生活しようとはしないでしょう。
ただし、これは前提として人工芝の施工がしっかりできている場合になるため、虫を発生させたくない場合には、水はけを良くするための整地をしっかり行い、人工芝がめくれて日光が地面に当たってしまったり、雑草がはえるような隙間を作らなかったりする施工が重要です。
人工芝に虫が湧いてしまう原因とは
基本的に虫が湧きにくい人工芝ですが、なぜ虫が発生してしまうことがあるのでしょうか。
人工芝に虫が湧きやすくなる原因を説明します。
水はけが悪い
もともと水はけの悪い場所に人工芝を敷くと、水がたまりやすく虫が湧く原因になります。
水はけの良し悪しは、土地の高さや土質が関係しています。
例えば、庭の土質が粘土質や赤土質の場合には土が水を吸収しやすく水はけが悪くなります。
水はけが悪いと、雨水や芝の結露を好む虫が寄ってきやすいです。
雨が降った後に大きな水たまりができるのは水はけが悪い可能性が高いので、人工芝を敷く時にはしっかりとした水はけ対策をしましょう。
人工芝の水はけについてはこちらを参照ください。
防草シートを敷いていない
人工芝の下に防草シートを敷かないと、雑草が生えてきてそれをエサにする虫が集まってきます。
防草シートは、地面にあたる太陽の光を遮る役割があり雑草や害虫対策に欠かせない重要なアイテムです。
防草シートは、普通のビニールシートとは違い水が溜まりにくい構造をしています。
また、シートには強い「貫通抵抗力」があるので、もしも地面から雑草が生えてきてもシートが突きられる心配もありません。
なお、防草シートを敷く時には、シートとシートの継ぎ目に隙間ができないようにすることがポイントです。継ぎ目に隙間があるとそこから雑草が生えきてしまうので、防草シートを使う時には敷き方にも注意が必要です。
掃除をしない
人工芝を敷いた後は大きなメンテナンスが必要ありませんが、虫が湧きにくい環境を作るには定期的な掃除が大切です。
庭に木があったり、人工芝の上に鉢植えを置いていたりする場合には、落ち葉や鉢からこぼれた土の栄養を求めて虫が寄ってきます。
また、人工芝にジュースをこぼしたり食べかすを残したりするとたくさんのアリが集まってきます。
虫の発生を防ぎ、長くきれいに使うためには定期的に人工芝の掃除をしましょう。
施工時に整地がされていない
人工芝は通気性と水はけが良くなるよう設計されていますが、地面がでこぼこしていたり、整地が不十分だったりすると、人工芝の間に隙間ができてしまいます。
その隙間から日光が差し込むと、地面に光が当たり、雑草が生えてしまう可能性があります。そして、その雑草が虫のエサとなり、結果的に人工芝の下に虫が住みつく原因となってしまうでしょう。
こうしたトラブルを避けるためにも、地面の整地は非常に重要です。DIYで人工芝を施工する場合でも、人工芝がずれないよう、しっかりと地面を整えることが大切です。もし不安がある場合は、プロに依頼するのが安心です。
人工芝の整地についてはこちらを参照ください。
人工芝施工費用についてはこちらを参照ください。
品質の悪い人工芝だった
人工芝にはさまざまな種類があります。
一言で人工芝と言っても、材質の違いや長さ、機能性など、安価なものから高価なものまであり、素人がそのあたりを判断して選択するのは難しい部分もあるでしょう。
特に、品質の悪い人工芝を選んでしまっていると、しっかり施工をしたにもかかわらず、虫を寄せ付けてしまうような環境にしてしまう可能性があります。
素材の部分だけで見てみると、人工芝でよく利用される素材として、「ポリエチレン」「ポリプロピレン」「ナイロン」などがあります。
ポリエチレンで作られている人工芝のタイプであれば、比較的高品質な人工芝となり、虫が湧きやすい環境にはなりずらいでしょう。
一方で、ナイロン製のタイプの人工芝の場合には、水はけが悪く吸水性が高いため、雨などによってジメジメした環境が作られやすいかもしれません。
このように、人工芝を選ぶときにも、注意して品質の良い人工芝を選択していただくことがおすすめです。
人工芝に虫が発生しないための7つの対策
では、虫が湧かないようにするためにはどのようが対策をすれば良いのでしょうか?
ここからは、人工芝の害虫対策をお伝えしましょう。
水はけ対策をする
水はけ対策は絶対的に行うべき対策で、この水はけ対策ができていないと、虫を湧かせてしまう原因につながります。
先述した防草シートでも水はけ対策は可能ですが、元々の整地をしっかり行うことや、ベランダであれば、水が通る道をしっかりと残しておくなど、水はけのことを意識することも心がけましょう。
下地材を敷く
人工芝に虫が湧きにくくするためには、下地材を敷くことが最も重要です。
下地材とは人工芝の下に敷く砂のことで、これを敷くことで虫の発生を抑えることができます。一般的に、人工芝の設置は「地面」「下地材(砂地)」「防草シート」「人工芝」の4層構造になりますが、下地材を使わずに人工芝を敷くことも可能です。
しかし、その場合、地面がむき出しになるため、土の栄養分をエサにする虫が発生しやすくなります。虫の発生を避けたい方は、必ず下地材を敷くことをおすすめします。
下地材には大きく分けて2種類があります。一つはDIY向けの山砂で、ホームセンターなどで購入できます。山砂は水はけが良いのが特徴です。
もう一つは、人工芝専用のコンクリート材質の砂で、こちらはさらに水はけが良いですが、一般にはあまり販売されていません。
山砂でも十分に害虫対策は可能ですが、より優れた水はけや虫が寄りにくい環境を求める方は、人工芝の施工を専門業者に依頼することを検討してみてください。
人工芝の下地についてはこちらを参照ください。
防草シートを敷く
防草シートは、水はけの良さや遮光率の高いものを選びましょう。
防草シートの水はけが良ければ雨水による水たまりができずらく、ナメクジのような水を好む虫が寄ってきません。
遮光率が高ければ地面に日光がほとんどあたらなくなるので、虫のエサとなる雑草が生えてくることを防止できます。
また、防草シートは敷き方も大切です。防草シートを敷く地面に雑草が残っていたり、シートとシートがずれていたりすればそれによりできた隙間から新たな雑草が生えてきてしまいます。
虫が湧きにくい環境を作るには、「透水性」「遮光性」の高い防草シートを選び隙間ができないように敷きましょう。
定期的に掃除をする
人工芝を敷いた後には、定期的に掃除をしましょう。
屋外で使用する人工芝には、小さなゴミやほこり・落ち葉・砂・土などが溜まりやすいものです。
小さなゴミやホコリは、コードレスの掃除機で吸ってしまうのが最も簡単な方法です。
砂や土は、掃除機で吸い取ると故障の可能性があるのでホウキを使って掃くようにします。
一方で、ジュースやアルコールをこぼした時には水洗いが必要です。少量であれば濡れぞうきんで拭き取れますが、量が多い場合にはホースを使って水洗いをします。
人工芝の汚れは、虫の発生だけでなくカビなどの原因にもつながるので、汚れに気づいた時には速やかに掃除をしましょう。
施工時に整地をしっかり行う
先述したように、人工芝に虫が湧く原因として、人工芝同士の隙間から日光が入り込んだり、人工芝の下に隙間ができてしまうことで、虫が住みやすい環境を作ってしまうことが考えられます。
これを防ぐためには、人工芝の施工時にしっかりと整地を行うことが重要です。単に整地をするだけでなく、地面の高さをできるだけ均一にし、地面を固めて凸凹をなくすことが求められます。
また、人工芝の上で歩いたり走ったりしても地面が凸凹しないように、十分に固めることも大切です。
DIYで施工する場合、どうしても整地が素人の手に委ねられるため、プロの仕上がりと比べると少し不十分に感じるかもしれません。
人工芝DIYについてはこちらを参照ください。
施工前に虫を駆除しておく
人工芝を施工する前から虫が湧いている場合、その土や環境がそもそも虫を住みやすくさせているため、人工芝を敷くことに関係なく虫が湧きやすい環境になっています。
人工芝を施工する前にできる限り虫を駆除しておきましょう。
近くにプランターや植木鉢を置かないようにする
プランターや植木鉢を置かないようにすることも、虫を湧かせないための対策と言えるでしょう。
虫はプランターや植木鉢など、陰になるものがあると住処にしやすいため、このようなものを置かないことも、対策の一つと言えます。
また、そのプランターや植木鉢が虫を発生させてしまい、人工芝の周りで虫が発生し、住処にしてしまうというケースも考えられます。
プランターや植木鉢を別のところに移すことも検討されると良いでしょう。
防虫対策に特化した人工芝はあるのか?
人工芝自体に防虫性のあるものは存在するのでしょうか。
結論からお伝えすると、人工芝や防草シートにおいて、防虫効果のあるものや、害虫対策機能がついたものはありません。
人工芝はそもそも虫のエサになる草で作られたものではないため、防虫対策が必要ないものです。
整地、下地、防草シート等対策をここがけましょう。
もしも、人工芝に虫が湧いてしまったら
これまでご紹介した対策をしても、虫が湧いてきてしまった場合にはどのような対策ができるのでしょうか。
方法としては、2つ、「殺虫剤などを使う」「人工芝を設置し直す」が挙げられます。
殺虫剤などは直接的に虫を駆除する方法ですが、人工芝に殺虫剤を使って良いかは、人工芝の素材の種類などによっても異なるため、施工業者や人工芝の販売元に確認すると良いでしょう。
さらに、どうしても虫が発生してしまう場合は、人工芝を施工し直すしかありません。
人工芝の施工仮定である、整地、下地、防草シート、人工芝のつなぎ目などに問題があるケースがほとんどですので、原因を特定し施工をやりなおすべきです。
この場合は、施工はプロの業者に依頼するべきでしょう。虫を湧かせたくないということをしっかりと伝えましょう。
まとめ:人工芝には適切な害虫対策を!
人工芝は基本的に虫が湧きにくいですが、敷き方や管理の仕方により虫が発生しやすくなる場合があります。
害虫対策のなかでも、下地材や防草シートは虫のエサとなる雑草の生育を抑制することができるので人工芝を敷く時には必ず活用するようにしましょう。
しかし、下地材や防草シートは専用の材料を選ぶ必要があったり、隙間なく敷かなければならなかったりと自分では材料選びや作業が難しいものです。
せっかくお金をかけたのに虫が湧いて使わずじまい…
このような事態に陥らないためには、専門業者に依頼してしっかりとした人工芝を施工してもらうと良いでしょう。
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